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妊娠37〜38週の選択的帝王切開は、新生児の呼吸器疾患や入院のリスクが上昇

自分のスケジュールで帝王切開にする人がいますが、人工的な出産は、いろいろリスクがつきもの。

赤ちゃんは神の授かりものですから、自然にまかせるのがベスト。



妊娠37〜38週の選択的帝王切開は新生児に悪影響
39週での帝王切開に比べ、呼吸器疾患や入院のリスクが上昇

日経メディカルオンライン


 米国では近年、帝王切開による出産が増えており、妊婦と医師の双方に都合がいいという理由から、早めに選択的帝王切開を行う傾向にある。しかし、米国Alabama大学のAlan T.N. Tita氏らが、正期産に当たる妊娠37週以降の選択的帝王切開における新生児転帰を調べた結果、39週での帝王切開に比べ、37週と38週での帝王切開では、呼吸器症状をはじめとする新生児有害転帰のリスクが上昇する可能性が示された。詳細は、NEJM誌2009年1月8日号に報告された。

 スケジュールが調整できる帝王切開を陣痛が来る前に行う、という選択が、新生児に悪い影響を与える可能性は、1990年代半ばから指摘されていた。特に、陣痛開始前の出産においては、正期産であっても、経膣分娩に比べ帝王切開で有害な呼吸器症状のリスクが高まるとの報告があった。

 現在でも、妊娠39週未満の選択的帝王切開は、胎児の肺の成熟が確認されていない限り推奨されない。

 著者らは、在胎37週以降の正期産ではあるが、39週未満で選択的帝王切開を行うことが新生児に及ぼす影響をより広く調べることにした。

 ユニス・ケネディ・シュライバー(2008年3月よりジョン・F・ケネディ氏の妹の名を冠するようになった)国立小児健康発達研究所の母子医療ユニットネットワーク(19施設からなる)で、1999年から2002年までに選択的な反復帝王切開を受けたコホートから、対象となる女性を選出した。選出の条件は、単胎妊娠で、より早い時期の分娩を支持する医学的な理由が見当たらず、陣痛その他の出産徴候がない状態で、妊娠37週以降に選択的反復帝王切開を受けた女性。

 主要アウトカム評価指標は、以下の転帰をすべて合わせた複合イベントに設定した:新生児死亡、呼吸器合併症(呼吸窮迫症候群または一過性頻呼吸)、低血糖(要治療)、新生児敗血症、新生児痙攣(脳波により確認)、壊死性腸炎、低酸素性虚血性脳症、心肺蘇生または生後24時間以内の人工呼吸器装着、臍帯動脈血のpHが7.0未満、出生 5分後のアプガースコアが3以下、新生児ICUへの入院、5日以上の入院。

 追跡は、退院または生後120日のいずれか早い方まで継続した。

 帝王切開による正期産は2万4077件。うち、1万3258件が分析対象として条件を満たす選択的反復帝王切開だった。実施時期は、37週目が6.3%(834人)、38週目が29.5%(3909人)、39週目が49.1%(6512人)で、40週以降の実施は15%強だった。

 37〜38週で選択的帝王切開を受けた35.8%の女性と、39週以降に選択的帝王切開で分娩した女性を比べると、前者の方が年齢が高く、出産時のBMIが低く、白人が多く、民間医療保険に加入しており、既婚者である割合が高かった。

 新生児死亡は1件で、39週での分娩だった。新生児痙攣は5人、低酸素性虚血性脳症または壊死性腸炎はなかった。

 主要アウトカムに設定された複合イベントの発生リスクは、39週の出生に比べ、37週、38週で出生した新生児で有意に高かった(37週が15.3%、38週が11.0%、39週が8.0%、40週が7.3%)。

 39週と比較した複合イベント発生の調整オッズ比は、37週が2.1(95%信頼区間1.7-2.5)、38週では1.5(1.3-1.7)だった(傾向性のp<0.001)。

 出生体重2500g未満の新生児を除いても、この関係は変化しなかった。

 複合イベントを構成する個々の要素のオッズ比は以下の通り。

 有害な呼吸器症状のうち呼吸窮迫症候群は、37週の分娩でオッズ比4.2(2.7-6.6)、38週では2.1(1.5-2.9)。一過性頻呼吸はそれぞれ1.8(1.2-2.5)と1.5(1.2-1.9)だった。

 新生児ICU入院は、37週が2.3(1.9-3.0)で、38週が1.5(1.3-1.7)。新生児敗血症は2.9(2.1-4.0)と 1.7(1.4-2.2)、低血糖は3.3(1.9-5.7)と1.3(0.8-2.0)、5日以上の入院が2.7(2.0-3.5)と 1.8(1.5-2.2)だった。

 なお、複合イベント発生は40週を越えての選択的帝王切開でも増加していた。41週では11.3%、 42週以上では19.5%(傾向性のp<0.001)。39週と比較したオッズ比は、41週は1.4(1.0-1.8)、42週以上は 2.5(1.5-4.0)だった。

 こうした研究では、妊娠週数の正確さが重要となるが、著者らは、妊婦の自己申告による最終月経開始日のみでなく超音波検査の結果も確認している。

 得られた結果は、米国では、39週未満の選択的な反復帝王切開が広く行われていること、37週、38週という正期産であっても、選択的帝王切開は、新生児の呼吸器疾患や他の有害事象リスクの有意な上昇と関連していることを示した。

 大人の都合による早めの帝王切開は、新生児の有害転帰のリスクを高め、新生児ICUの利用を増やして、コスト上昇ももたらすと考えられた。

 原題は「Timing of Elective Repeat Cesarean Delivery at Term and Neonatal Outcomes」、概要は、
こちらで閲覧できる。
by nico_angel08125 | 2009-03-29 16:21 | 健康・癒し